Airy関数について その2

先ほどのリベンジ.
エアリー関数 Airy Functionは, \text\Phi(z)=\frac{1}{\pi}\int_0^\infty\cos(\frac{\xi^3}{3}+{\xi}z)\text{d}\xiで定義された関数である. この定義で一体なにがうれしいのか.
実はこの関数, 極限を\lim_{x{\to}\infty}\sin(x)=0とすると, 以下の微分方程式を満たす.
\frac{\text{d}^2}{\text{d}z^2}\text\Phi(z)=z\text\Phi(z). 書き換えると, \ddot{\text\Phi}-z\dot{\text\Phi}=0.
この微分方程式の解が上記のエアリー関数である, と書かなかったのは, この微分方程式が(線形独立な)もうひとつの解を持つからだ. もうひとつの解は,
\text\Phi(z)=\frac{1}{\pi}\int_0^\infty\exp(-\frac{\xi^3}{3}+{\xi}z) + \sin(\frac{\xi^3}{3}+{\xi}z)\text{d}\xi.
実際にはどちらもエアリー関数と呼び, Ai, Biと区別するのが一般的だ.
実際にこの微分方程式の解となっていることを確かめることは簡単だ. 積分の内側を2度微分し, \zeta = \pm\frac{\xi^3}{3}+{\xi}zとすると\xi^2\text{d}\xi=\pm(\text{d}\zeta-z\text{d}\xi)を用いて部分積分すればよい.
素人の僕からみても使えそうな定義に思える. だが, これはあくまでも定義に過ぎないのであって, 面白いのはここから. つまりはその使われ方にあるのだろうと思う.
もともとエアリー関数は, 虹の光学的な研究という文脈から生まれた. そして, この虹の研究はストークスへと続くこととなる. また, エアリー関数は有名なベッセル関数とも関わりがある. ベッセル関数はかのベルヌーイよってはじめ定義された関数で, ラプラス方程式ヘルムホルツ方程式の解と深い関係がある.
このようにちょっと眺めただけでもこの関数から広範な文脈の展開が観える. 楽しみだが, 続きはまた.